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2019年12月の日記

更新日:2019年12月31日

12月の出会った風景


12月31日


冬の景色を感じたく行った東北は、暖冬の影響か雪化粧とはいかなかったが

日本海の荒々しい波を体感できるほど近くに作られた温泉のお風呂にじっと浸かり

波と空を眺め、極寒の中濡れた体のまま旅館まで1分ほど走るという経験をし

少しだけ、冬の寒さが身に沁みた。

自然の景色や生活の様を通して自分の中の冬の季節のイメージが少しずつ見えてきている

これから描く絵につながる体験ができたかもしれない


旅の道中で、友人から嬉しい報告をもらった

友人の研究書の表紙の絵に葉日記の作品が使われ、それの発行日が決まったとのこと

先日の個展に来てくれた友人に、本を出す時にもしイメージにあったら表紙とかにどうかなと行ったのがきっかけではあったが、ちょうど博士論文の書籍化が決まっていたところで

古典の日本語の研究をしている友人は、以前に購入してくれていた葉日記の作品を眺めていて、葉日記作品のイメージと言葉を研究のイメージが繋がり使いたいと思い、

印刷期限ギリギリのところに滑り込ませてくれた。

その後も色々と印刷会社とやりとりを重ね現実になった時は、

友人の大切な本に寄り添えたことが本当に嬉しく、

どうしても使いたいと思ってくれ色々と動いてくれたことがより一層嬉しかった。




近世後期テニヲハ論の展開と活用研究

遠藤佳那子 著

勉誠出版




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12月18日


川崎市市民ミュージアムの被災レスキューを行った。


市民ミュージアムは、11月の台風によって収蔵庫が水没してしまったのだ

浸水しているが、収蔵庫にはもしかしたら水がいっていないかもしれない

という期待をもちなが数日かけて吸水ポンプで水を汲み出したが

中も完全に水没して、貴重な写真や漫画などが水に浸かってしまった

現場にいき凄い事になってしまっている事はすぐに感じ取れた

大量の作品があった収蔵庫は、見るも無残、匂いも凄まじかった。

この中に作品があったんだと思うと、身につまされる思いがした

作家の気持ち、それに携わってきた人たちの気持ち、

これから先にその中の作品と出会うかもしれない人がいるであろう事

いろいろ考えながら、収蔵庫の被害の少ない写真作品を運び出した


後半の作業は、スケッチブックや紙の作品を一枚一枚剥がしては並べてを繰り返す作業

濡れている間にやらないと、紙同士がくっついてしまうとのこと

修復家の方とかなり昔の漫画の作品なのだろう

和紙に昔話のシーンが墨で描かれている束を剥がす作業を行った

和紙は湿った物を剥がすのは破れやすいため

水に浸し水中で竹べらを使って少しずつ剥がしていった

和紙の扱いは多少は慣れているためこの作業はすぐに理解ができた

しかし、薄い和紙はどうしても水中では非常に脆く破けてしまう箇所ができてしまった


緊張感を持って行ったが、自身の手で傷つけてしまうことに辛さを感じた

でもそこへ修復家の方が

「丁寧に剥がしてくれました、これは治せます」と、声をかけてくれた

すごく感動し、その言葉に今日様々なところで感じていた不安な気持ちに晴れ間が見えた

きっとこんなに大変なことがあっても、立て直す力や知恵はあるんだ


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12月17日


冬の雨、横浜では初雪を観測したとのこと

落葉樹は今年はゆっくりであったが葉を落として幹だけになりつつある

寂しげに見える幹だが、何年もの時間の積み重ねで成っている。

華やかさはないが、凛とした美しさと寒さから身を守るようすに愛おしく感じる













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12月のある日


来年の研究室OBのテーマは“エロス”

私はこのテーマを感じさせる作品を描いたことがないが

風景の中には様々な出来事がある、その中からこのテーマを感じる風景を見つけたい

違った視点を示してくれるグループ展のテーマだ

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